75歳で企業買収によって現役復帰!京都の老舗のオーナーに。

先日の週刊ダイヤモンドの「定年後も稼ぐ!働き方」という特集の巻頭、ある目を引くM&Aの記事が掲載されました。


「70歳半ばで現役復帰 京都の老舗オーナーに」と題されたこの記事の主人公は岡さん。

大阪の北浜でかまぼこ屋を経営していたものの、4年ほど前に引退。しかし奥様からの「あんたは水槽の中のハマチと一緒や。止まったら死ぬで」といかにも大阪っぽい激励を受け、心機一転。

「M&Aマッチングサイト」を介して京都の錦市場で100年以上続く「錦平野」という老舗の惣菜店の経営券を譲り受け、一躍そのオーナーとして活躍しているというもの。

まさに人生100年時代。たとえ76歳になってもかつて培った経営の手腕と、スピリッツはまだまだ健在。自分でコントロールできるリスクの範疇でやるなら、経営はまさに老後の最高の仕事という話なのです。



さて、この記事には「M&Aマッチングサイト」としか書かれていませんが、当然このサイトは「アンドビズ」ということは皆様御察しの通り。

因みに種明かしをしてしまうと、案件自体は以下のような形で掲載されていたものです。

年商は3億円とアンドビズとしてはかなり大ぶりの案件に属しますが、食品加工販売という業態、純資産は2000万ほど、営業利益もマイナスということで一見して地味な案件に見えます。

しかし岡さんはここにある特徴の一つに挙げられている長い実績と京都の一等地という立地、そして京都ブランドに注目しました。

「直感的に気に入った。会社に伝統がある。京都ブランド力がある。そして立地条件が抜群にいい。経営を工夫すればいくらでも伸びると思った。」

岡さんはこう話していますが、それもその筈。この店のある京都の錦市場といえばその歴史1300年という長い歴史を持ち、京都の台所として市民のみならず観光客、特に最近では海外からのインバウンド客にも大人気の場所なのです。

一目でこの場所が気に入った岡さんは、即座に購入を決意。

アンドビズのアドバイザーから事業内容や収益構造だけでなく、税務や法律などの売買に必要な様々なアドバイスを受け、更に様々なハードルを乗り越え数ヶ月の交渉で無事錦平野の新オーナーとなりました。

なんと75歳にしてM&Aで現役に復帰したわけです。


こうなると再び岡さんの経営者魂に火がつきます。

まずお店の奥にレストランを新設しました。これによって作りたてのお惣菜をその場で美味しいまま提供することもできるようになった他、食材自体のロスも大幅に少なくなったのです。

更に岡さんは、地元の人や日本人観光客だけでなく、京都を訪れるインバウンド客にも目をつけました。

外国人スタッフを新しく雇用し、メニューも多言語化したのです。

もちろん名物だった職人がその場で作る焼きたてのだし巻き卵もメインメニューに据えます。

これが大評判になり、わずか一年ほどで月商は2500万円から4000万円にまで跳ね上がったそうです。


岡さんに限らず、今の時代、ビジネスをするのに早すぎることも、遅すぎることもありません。

問題はリスクのコントロールだけです。自分の返済範囲を超えた債務を背負ったり、取れもしない責任を負うようなビジネスではなく、自分が十分リスクが取れる範囲内でできるのなら、経営ほど面白い仕事はないのです。


一般にM&Aの世界では、むしろ規模や利益が尊ばれ、そういった小ぶりの案件は避けられる傾向にあります。

しかし個人事業や小規模ビジネスを対象にするアンドビズの世界には、こうした可能性が満ち溢れています。


またネットマッチングというとどうしてもITスキルの高い若者が対象と思われがちですが、岡さんのケースでわかるように、アンドビズなら全国800以上のアドバイザーがおり、M&Aが初めてという高齢者であっても、安心して事業のバトンタッチを実現できるのです。


もっとも白状してしまうと、私自身、そういいつつ、実はまさか本当に老後に企業を買う人たちが現れるとは思っていませんでした。

ところが現実は私の予想よりはるかに先に進んでいるということが、この案件でよくわかりました。

確かに人生100年時代、こういう仕事の仕方があっていいと思うのです。