【コラム】デビルマンとロングテールのコンテンツ

GWもいよいよおしまい。 ということで、ただ今日本への帰国の途上です。

 最近は海外旅行の度にiPadにNetflixやAmazonプライム・ビデオの動画を大量に詰めていくのが、専らの習慣。

 でもって、今回も御多分に洩れず大量にダウンロードしておいたのですが、その中で全話一気見をしてしまったのが、Netflixオリジナルの「デビルマン」 

そうです、あの永井豪先生の「あれは、誰だ、誰だ。あれはデビル、デビルマン、デビールマン♩」なデビルマンです。 

というか、おっさん以外知りませんよね。 


実はデビルマンは、テレビシリーズと原作に非常に大きな差があることはよく知られていましたが、それは子供には見せられない描写やストーリーのため。

 Netflixオリジナルは、テレビシリーズではなく原作に忠実にリメイクされた作品で、どう考えても子供に見せちゃダメ、という作品になっています。 

それでも劇中劇としてテレビシリーズの存在が描かれるなど往年のファンへのサービスもあり、明らかに大人向けを意識して作られています。

 特にヒロインの牧野美樹が惨殺される回のエンディングは、美樹が生きている世界であるテレビシリーズの最終回のエンディングが使われているところなど、往年のファンにはちょっと泣かせる演出がされています。 

この辺り、なかなか製作陣は分かってますね。 

もちろん、アルマゲドン後の飛鳥了と不動明のあの伝説のラストシーンもちゃんと再現されているのは当然です。


 さて、Netflixは平気でこういうテレビでは絶対できないオリジナル作品を量産してくるのが凄いなあ、と常々思うのですか、ここで改めて感じるのが、コンテンツの「ロングテール化」 

デビルマンが週刊マガジンに連載されたのは1972年のこと。 

私がまだ5歳の時です。

 同じくNetflixのオリジナル作品であるサイボーグ009 Call of Justiceのサイボーグ009シリーズに至っては、少年キング紙での連載開始が1964年、つまり東京オリンピックの年ですから、もう54年にもなる超ロングセラーということになります。 (因みにサイボーグ009は54年の間に3度テレビアニメ化されたので、主題歌で世代がわかると言われているようです。私の世代はもちろん石ノ森章太郎先生の作詞による名曲「誰がために」です) 


今あげたのはアニメーションの話ですが、それに限らず、実は日本にはこうした長い歴史を誇るオリジナルコンテンツが、実は世界一豊富にある、ということに改めて気付かされます。 

長い歴史を誇るコンテンツは、それだけでとても大きな財産で、活かし方によってはロングテールにずっと収益を生み続ける元となることを、Netflixの事例は示しているように思うのです。 

日本には世界の老舗企業の70%以上が集まっていると言われています。 

これをロングテールのコンテンツとして活かすのか、単なる旧態然とした過去の遺物として捨て去るのかによって、その行く先に大きな差があることは誰の目にも明らかではないでしょうか。


 日本ならではのロングテールコンテンツ「老舗企業」の活用に、もしアンドビスが一役買えたら、本当に素晴らしいことだと思うのですが、いかがでしょうか。