日本にも『職業としてのアドバイザー』を!
先日、以前ご紹介した事業承継・M&Aエキスパートの認定者数が合計で2万人を超えたそうです。
ついこの前1万9000人とアナウンスしていましたので、本当に凄い伸びですね。
10年間で127万社が廃業に追い込まれるという深刻な状況の中、事業承継の問題に取り組む専門家がどんどん増えているのは、素晴らしいことだと思います。
しかし、一方で問題もないわけではありません。
その最たるものが、実は本当に実務に携わったことのある専門家がまだとても少ないということなのです。
特に深刻なのは地方です。
地方では大都市圏と違って、専門家の絶対数自体が少ない上に、そもそも事業承継やM&A、そして経営のバトンタッチの実務を経験する機会がほとんどありません。
困ったことに、多くの専門家が必要とされているはずの地方では、逆に経験豊富な専門家が育つ土壌がなく、なかなか信頼できる専門家に巡り会う機会がないのです。
これはかなり深刻な問題だと言えます。
又分野の違いというのもあって、例えば事業承継の専門家というのは、大半は相続、贈与に関する税金の専門家ですし、M&Aの専門家の大半はある一定以上の規模のディールを扱うのが一般的です。
たしかに『小規模企業の経営のバトンタッチ』はM&Aの一種ではありますが、いざ相談しようと思うと、意外と地元にはアドバイザーがいないというのも事実なのですね。
最近は、事業承継問題への対応として、金融機関や士業の先生方に社会的な期待が集まっているのですが、そんな訳で実際問題どう対応していいのか一番困っているのが彼らだったりするのが本当のところではないでしょうか。
そんな訳で、ある意味、事業承継を巡る日本の一番大きな問題というのは、実は地元、特に地方に密着した専門家の不足だといえるかもしれません。
私も27年以上M&Aのアドバイザーをする中で、多くのアドバイザーの育成にも携わって来ましたが、実際のところ、知識は十分でも、やはりどうしても経験が不足しているアドバイザーが多いと感じます。
因みに私が役員を務める日本M&Aセンターでは、そうした問題を解決する為に、常時20人以上の出向者を全国の金融機関や会計事務所から受け入れているのですが、出向者には地元ではなかなか多くの実務経験が積む機会のない地方の金融機関や金融機関の方が多いのです。
いいアドバイザーというのは、M&Aや経営のバトンタッチをする上で、必要不可欠です。
いいアドバイザーとは、単なる交渉代理人(これはそもそもアドバイザーではなく弁護士の仕事です)ではなく、お互いがプラスになる素晴らしいマッチングを実現させ、経営のバトンタッチ の後のことを一番に考えて、トラブルなく、お互いに気持ちよく、そして協力して事業を引き継げるようお膳立てをする仕事をする人です。
だからこそ知識や経験だけでなく、かなりの人間力も必要とされます。
時間的、精神的にもとても大変な仕事で、誰でも一朝一夕に熟達できるというものではないのです。
さて、もう5年ほど前のことになりますが、アメリカに小規模企業の経営バトンタッチについて調査をしにいったことがあります。
アメリカでも小規模企業のバトンタッチは、M&Aと呼ばずに、Bussiness Acquisitionと別の呼び方をしますが、そのマーケットは日本の比ではないほど巨大なことに、まず驚かされました。
アメリカでもアンドビズのようなサイトが沢山ありますが、というか元々向こうが元祖な訳ですけど、それこそ何万件もの情報が掲載されいて、誰でも自由に事業を受け渡したり、バトンタッチを受けて経営を引き継ぐことができる社会がすでに実現されているのです。
それを支えているのは、アメリカ版アンドビズ のような引き継ぎサイトの力も大きいのですが、何よりBusiness Brokerと呼ばれる、アドバイザーの存在が大きいのです。
アメリカのBusiness Brokerは大抵は不動産業者と弁護士がセットで経営していることが多く、 専門の協会に加盟しているだけで約5000人もいるそうです。
翻って日本に当てはめてみると、アメリカの3分の1くらいの経済規模ながら社会的なニーズの高さも考え合わせると、多分2500人くらいのキチンとしたアドバイザーが必要ではないかと思います。
アンドビズ の経営理念は、『誰でも、気軽に、簡単に、そして自由に経営のバトンタッチ のできる世の中をつくる』ことです。
その為には、経験豊富で、アメリカのBusiness Brokerのように、職業としてきちんとなりたつアドバイザーを沢山作らなければなりません。
単なるマッチングサイトというだけでなく、同時に信頼できるアドバイザーを育成し、その活躍の場を提供することがアンドビズの本当の価値だと私は考えています。
ということで、アンドビズ は現在でも事業承継・M&Aエキスパート協会や日本M&A協会、及び日本M&Aセンターと協力してM&Aや事業承継アドバイザーの育成に力を入れていますが、近々『経営のバトンタッチ 専門のアドバイザー』の育成講座も開始することにしました。
その講座を通じて、27年M&Aのアドバイザーを務めて来た私の経験やノウハウを是非お伝えしたいと思いますし、講座自体も座学だけでなく、SNSを通じた専門のグループによる交流や、実際のアンドビズ サイトを使った実践など、他にない趣向を盛り込んでいきたいと思います。
具体的な開始時期や、内容は固まり次第アンドビズ のFacebookでお知らせしますので、是非楽しみにお待ちください。
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